古物商 - 申請に必要な7つの添付書類【法人・個人】

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はじめに

古物商の許可を受けるためには、所定の「許可申請書」の他、「添付書類」を揃えて申請する必要があります。

法定されている添付書類は、申請者が個人ある場合は4種、法人である場合は、それに加えて3種の計7種となっています。

今回は、「古物商 - 許可申請書の書き方と注意点(記載例付)」に引き続き、必要書類の取り方や作成時のポイントについて行政書士が解説します。

古物商 - 許可申請書の書き方と注意点(記載例付)

古物商許可のための申請書の書き方を注意点を踏まえつつ順を追って行政書士が解説します。

添付書類の有効期限

住民票の写しや身分証明書等に有効期限の定めはありませんが、古物商の許可申請における添付書類の発行・作成日は、申請日から3か月以内のものとされています。

提出が求められている者

以下の1~4の書類を提出をしなければならない者は、申請者が個人の場合「申請者」及び「管理者」、申請者が法人の場合「役員全員」及び「管理者」となります。

営業所が複数あり管理者を複数人選任する場合、当然ですが、その全員分の証明書等の提出が必要です。

古物商許可 - 管理者の役割と選任時の注意点

必ず選任することを求められる「管理者」とは、一体どのような役職なのでしょうか。職務や要件、制度について、行政書士が解説します。

申請者が個人の場合

1. 住民票の写し

古物営業法施行規則(以下、「規則」という)第1条の3第3項第1号イ)

住民票の写しは、「本籍」の記載があるもので、「個人番号(マイナンバー)」の記載がないものでなければなりません。

「本籍」「マイナンバー」は、申出がない限り記載されないので、申請時には必ず「本籍」にのみチェックが入っていることを確認しましょう。

住民票の写しの請求方法

住民票の請求先は、「住所地」の市役所、区役所、町村役場です。

また、マイナンバーカードの交付(紙製のマイナンバー通知カードは不可)を受けているのであれば、コンビニでも取得することができます。

POINT - 住民票の写し

  • 本籍の記載があるもの
  • マイナンバーの記載がないもの

2. 身分証明書

(規則第1条の3第3項第1号ハ)

身分証明書とは、運転免許証やパスポートなどのことではなく、本籍地の市区町村が発行する「禁治産又は準禁治産の宣告の通知を受けていないこと、後見の登記の通知を受けていないこと、破産宣告又は破産手続開始決定の通知を受けていないことを証明する書面」を指します。

もう少し簡単に言うと「破産の有無」や「成年後見の有無」などを証明するものです。

これは、古物商と管理者の欠格事由のひとつである「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者(法第4条第1項第1号及び第13条第2項第2号)」ではないことを証明するために必要な書面となります。

令和元年の法改正により、成年被後見人や被保佐人であっても、古物商許可を受けられるようになりました

外国人の方は「身分証明書」の提出は必要ありません

身分証明書の請求方法

身分証明書の請求先は、「本籍地」の市役所、区役所、町村役場の戸籍課となります。

ですので、例えば、住所地が東京都中央区であっても本籍地が渋谷区であるならば、住民票とは別に請求しなくてはならず少し手間がかかることになります。

また、請求には「筆頭者氏名(市区町村によっては生年月日も)」の記入が必要です。

POINT - 身分証明書

  • 運転免許証などのことではない
  • 請求先は「住所地」ではなく「本籍地」の市役所等

住民票と身分証明書は郵送請求できる

住民票と身分証明書は、わざわざ区役所等に出向くことなく、郵送でも請求することができます。

各市区町村役場によって若干異なることもありますが、概ね、請求書、返信用封筒、返信用切手、手数料及び本人確認書類を揃えて、指定の受付窓口に郵送して請求します。

東京23区の場合、手数料(概ね200円~400円)は、郵便定額小為替を同封して納付としています(一部例外あり)

3. 略歴書

(規則第1条の3第3項第1号イ)

最近5年間の略歴、つまり職歴や学歴などを記載する必要があります。

職歴であれば以下のように記載します。

年 月経 歴 内 容
平成○年 ○月株式会社XX 取締役就任
平成○年 ○月株式会社XX 取締役辞任、退社
同月、株式会社YY 取締役就任
令和〇年 ○月株式会社YY 代表取締役就任
現在に至る

学歴であれば、同様に「平成○○年○月 ○○大学○○学部入学」というように記載します。

ポイントは、「空白期間がないように記載」することです。

仮に無職の期間があったとしても、「無職(就職活動のため)(親の介護のため)」など、直近五年間を抜けがないようしっかり埋めましょう。

略歴書は都道府県により様式が異なる場合があるので、必ず申請場所の警察署(公安委員会)が作成したものを使用しましょう(例:愛知県では「職歴」に加えて「住所歴」の記載も必要である一方、千葉県では既定の様式がありません)

POINT - 略歴書

  • 空白期間を作らない
  • 申請場所の都道府県警察が提示する略歴書を使用する
よくわかる!古物商の略歴書の書き方のコツ(記載例付)

直近5年間とされる略歴の「書き出し」のコツや記載すべき事項とその注意点について行政書士が解説します。

4. 誓約書

(規則第1条の3第3項第1号ロ、第3号ハ)

誓約書においては、申請者である個人、法人の役員及び管理者が、法第4条及び第13条第2項が規定する欠格事由に該当していないことの確認が行われます。

欠格事由はそれぞれ異なりますので「個人用」「法人の役員用」「営業所等の管理者用」の3つの様式が用意されています。

取り違えないように気を付けましょう。

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申請者が法人の場合

5. 上記1~4の書類

(規則第1条の3第3項第2号ロ・ハ・ニ及び第3号ハ)

申請者が法人の場合、上記1~4の書類に加え、以下の6・7の書類の提出も必要です。

6. 定款

(規則第1条の3第3項第2号イ)

現行定款のコピーを提出する必要があります。

原本ではなくコピーですので、そのコピーは原本と相違ない旨の証明(原本証明)を付けて提出しなければなりません。

原本証明の方法としては、コピーした定款の最終ページの余白に、以下のような証明分を朱書きし、代表者印を押印します。

この定款の写しは、原本と相違ないことを証明する

令和○○年○○月○○日

住 所 ○○○○

商 号 株式会社○○○○

代表者 代表取締役 ○○○○ 印

なお、都道府県によっては、会社代表者印で各ページに割印が必要になる場合がありますので、事前に確認しておくことをお勧めします。

定款は、コピーしたものに毎葉割印のうえ末尾に「以上、原本と相違ありません。」の奥書、コピーを作成した日付、代表者の役職と氏名を朱書きし、代表者印を押印したものを提出してください。

京都府警 - 古物商・古物市場を営むには

7. 登記事項証明書

(規則第1条の3第3項第2号イ)

登記事項証明書は4種類ありますが、その中でも古物商許可申請で必要となるのは「履歴事項全部証明書」です。

登記事項証明書の請求方法

登記事項証明書の請求方法としては、次の3つの方法があります。

  • 法務局や登記所の窓口で直接請求
  • 郵送請求
  • オンライン請求

急いでいる場合は、登記所等に直接出向いて請求した方が早いでしょう。

手数料としては、次の通りです。

  • 書面請求(窓口請求・郵送請求)… 600円
  • オンラインで請求して、登記所等の窓口で交付を受ける場合 … 480円
  • オンラインで請求して、郵送してもらう場合 … 500円
法人許可に必要な登記事項証明書の3つの請求方法と確認すべき情報 - 古物商

登記事項証明書の3つの請求方法(窓口・オンライン請求郵送受取・オンライン請求窓口受取)や古物商許可申請の際に確認すべき記載情報ついて行政書士が解説します。

ホームページを開設して取引きを行う場合

URLの使用権限があることを疎明する資料

(規則第1条の3第3項第5号)

自分でホームページを開設する又はヤフオクやamazonなどにストアを開設して古物の非対面取引を行う場合は、そのURLを申請書(別記様式第1号その4)にて届け出る必要があります。

さらに、そのURLを使用する権原があることを疎明する資料を添付書類として提出しなければなりません。

疎明資料としては、次のようなものがあげられます。

  • プロバイダ等が発行したドメイン割当通知書
  • 「WHOIS検索」の検索結果をプリントアウトしたもの
  • ヤフオクやamazon等のプロフィールページをプリントアウトしたもの など

いずれの書面においても、申請者の氏名・法人名・法人の代表者名等が、そのドメインに登録されていることが確認できる内容のものでなければなりません

古物商のホームページ利用取引とは?WHOIS情報の検索やその変更の方法

URLの届出の際に必要となる「URLの使用権限を疎明する資料」について、WHOISを用いる場合の情報検索や変更方法を中心に行政書士が解説します。

未成年者である場合

(規則第1条の3第3項第1号二)

未成年者で古物営業を営むことについて法定代理人の許可を受けている場合は、次の書類が必要となります。

  • 法定代理人の氏名及び住所(法定代理人が法人である場合は、その名称及び住所並びに代表者の氏名)を記載した書面
  • 法定代理人の許可を受けていることを証する書面

古物商の相続人である未成年者で古物営業を営むことについて法定代理人の許可を受けていない場合は、次の書類が必要となります。(法定代理人が法人である場合は、①②の書類に加え、定款、登記事項証明書、法人役員に関する③~⑤の書類が必要です。)

  • 相続人である未成年者の氏名及び住所を記載した書面
  • 営業所の所在地を記載した書面
  • 法定代理人の略歴書
  • 法定代理人の誓約書
  • 法定代理人の住民票の写し

管轄する警察署による場合

申請する都道府県や管轄する警察署によって、上記1~7の法定されているもの以外に、営業所に関して次のような書類の提出が求められる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

  • 土地・建物登記簿謄本の写し
  • 賃貸借契約書のコピー / 使用承諾書
  • 周辺図
  • 内部平面図 など
古物商の営業所について押さえておきたい8つのこと

営業所として認められる基準や営業所において行わなければならないこと、移転や新設手続の概要などについて行政書士が解説します。

3つのおまかせで古物商許可取得をしっかりサポート - ヘイワード行政書士事務所