古物商 - 申請に必要な6つの添付書類【法人・個人】

はじめに
古物商の許可を受けるためには、所定の「許可申請書」の他、「添付書類」を揃えて申請する必要があります。
法定されている添付書類は、申請者が個人ある場合は4種、法人である場合は、それに加えて2種の計6種となっています。
今回は、「古物商 - 許可申請書の書き方と注意点(記載例付)」に引き続き、必要書類の取り方や作成時のポイントについて行政書士が解説します。
目次

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添付書類の有効期限
住民票の写しや身分証明書等に有効期限の定めはありませんが、古物商の許可申請における添付書類の発行・作成日は、申請日から3か月以内のものとされています。
提出が求められている者
以下の1~4の書類を提出をしなければならない者は、申請者が個人の場合「申請者」及び「管理者」、申請者が法人の場合「役員全員」及び「管理者」となります。
営業所が複数あり管理者を複数人選任する場合、当然ですが、その全員分の証明書等の提出が必要です。
申請者が個人の場合
1. 住民票の写し
(古物営業法施行規則(以下、「規則」という)第1条の3第3項第1号イ)
住民票の写しは、「本籍」の記載があるもので、「個人番号(マイナンバー)」の記載がないものでなければなりません。
「本籍」「マイナンバー」は、申出がない限り記載されないので、申請時には必ず「本籍」にのみチェックが入っていることを確認しましょう。
住民票の写しの請求方法
住民票の請求先は、「住所地」の市役所、区役所、町村役場です。
また、マイナンバーカードの交付(紙製のマイナンバー通知カードは不可)を受けているのであれば、コンビニでも取得することができます。
POINT - 住民票の写し
- 本籍の記載があるもの
- マイナンバーの記載がないもの
2. 身分証明書
(規則第1条の3第3項第1号ハ)
身分証明書とは、運転免許証やパスポートなどのことではなく、本籍地の市区町村が発行する「禁治産又は準禁治産の宣告の通知を受けていないこと、後見の登記の通知を受けていないこと、破産宣告又は破産手続開始決定の通知を受けていないことを証明する書面」を指します。
もう少し簡単に言うと「破産の有無」や「成年後見の有無」などを証明するものです。
これは、古物商と管理者の欠格事由のひとつである「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者(法第4条第1項第1号及び第13条第2項第2号)」ではないことを証明するために必要な書面となります。
令和元年の法改正により、成年被後見人や被保佐人であっても、古物商許可を受けられるようになりました
外国人の方は「身分証明書」の提出は必要ありません
身分証明書の請求方法
身分証明書の請求先は、「本籍地」の市役所、区役所、町村役場の戸籍課となります。
ですので、例えば、住所地が東京都中央区であっても本籍地が渋谷区であるならば、住民票とは別に請求しなくてはならず少し手間がかかることになります。
また、請求には「筆頭者氏名(市区町村によっては生年月日も)」の記入が必要です。
POINT - 身分証明書
- 運転免許証などのことではない
- 請求先は「住所地」ではなく「本籍地」の市役所等
住民票と身分証明書は郵送請求できる
住民票と身分証明書は、わざわざ区役所等に出向くことなく、郵送でも請求することができます。
各市区町村役場によって若干異なることもありますが、概ね、次のものを指定の受付窓口に郵送して請求します。
- 住民票又は身分証明書交付請求書
- 返信用封筒(請求者の氏名・住所を記載し、切手を貼付)
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなどのコピー)
- 手数料(平均各300円)
手数料の納付は郵便定額小為替
手数料は、多くの市区町村で郵便定額小為替を同封して納付することとなっています。
郵便定額小為替は、ゆうちょ銀行又は郵便局の窓口で購入することができます。
選べる額面は、50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1000円の12種類ですが、発行手数料が各200円かかります。
例えば、住民票及び身分証明書の請求のために、定額小為替を2枚購入して300円×2=600円支払った場合、定額小為替の発行手数料については、200円×2=400円かかることになります

古物商の許可申請書の
作成はもちろん
住民票や身分証明書の
取得もおまかせ
ヘイワード行政書士事務所
3. 略歴書
(規則第1条の3第3項第1号イ)
最近5年間の略歴、つまり職歴や学歴などを記載する必要があります。
職歴であれば以下のように記載します。
年 月 | 経 歴 内 容 |
---|---|
平成○年 ○月 | 株式会社XX 取締役就任 |
平成○年 ○月 | 株式会社XX 取締役辞任、退社 同月、株式会社YY 取締役就任 |
令和〇年 ○月 | 株式会社YY 代表取締役就任 現在に至る |
学歴であれば、同様に「平成○○年○月 ○○大学○○学部入学」というように記載します。
ポイントは、「空白期間がないように記載」することです。
仮に無職の期間があったとしても、「無職(就職活動のため)(親の介護のため)」など、直近五年間を抜けがないようしっかり埋めましょう。
略歴書は都道府県により様式が異なる場合があるので、必ず申請場所の警察署(公安委員会)が作成したものを使用しましょう(例:愛知県では「職歴」に加えて「住所歴」の記載も必要である一方、千葉県では既定の様式がありません)
POINT - 略歴書
- 空白期間を作らない
- 申請場所の都道府県警察が提示する略歴書を使用する
4. 誓約書
(規則第1条の3第3項第1号ロ、第3号ハ)
誓約書においては、申請者である個人、法人の役員及び管理者が、法第4条及び第13条第2項が規定する欠格事由に該当していないことの確認が行われます。
欠格事由はそれぞれ異なりますので「個人用」「法人の役員用」「営業所等の管理者用」の3つの様式が用意されています。
取り違えないように気を付けましょう。
「誓約」するものなので、PCなどで書類を作成する場合でも、氏名は、自署(直筆)するようにしましょう
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申請者が法人の場合
上記1~4の書類
(規則第1条の3第3項第2号ロ・ハ・ニ及び第3号ハ)
申請者が法人の場合、上記1~4の書類に加え、以下の6・7の書類の提出も必要です。
5. 定款
(規則第1条の3第3項第2号イ)
現行定款のコピーを提出する必要があります。
原本ではなくコピーですので、そのコピーは原本と相違ない旨の証明(原本証明)を付けて提出しなければなりません。
原本証明の方法としては、コピーした定款の最終ページの余白に、以下のような証明分を朱書きし、代表者印を押印します。
この定款の写しは、原本と相違ないことを証明する
令和○○年○○月○○日
住 所 ○○○○
商 号 株式会社○○○○
代表者 代表取締役 ○○○○ 印
なお、都道府県によっては、会社代表者印で各ページに割印が必要になる場合がありますので、事前に確認しておくことをお勧めします。
定款は、コピーしたものに毎葉割印のうえ末尾に「以上、原本と相違ありません。」の奥書、コピーを作成した日付、代表者の役職と氏名を朱書きし、代表者印を押印したものを提出してください。
京都府警 - 古物商・古物市場を営むには
6. 登記事項証明書
(規則第1条の3第3項第2号イ)
登記事項証明書は4種類ありますが、その中でも古物商許可申請で必要となるのは「履歴事項全部証明書」です。
登記事項証明書の請求方法
登記事項証明書の請求方法としては、次の3つの方法があります。
- 法務局や登記所の窓口で直接請求
- 郵送請求
- オンライン請求
急いでいる場合は、登記所等に直接出向いて請求した方が早いでしょう。
手数料としては、次の通りです。
- 書面請求(窓口請求・郵送請求)… 600円
- オンラインで請求して、登記所等の窓口で交付を受ける場合 … 480円
- オンラインで請求して、郵送してもらう場合 … 500円
ホームページを開設して取引きを行う場合
URLの使用権限があることを疎明する資料
(規則第1条の3第3項第5号)
自分でホームページを開設する又はヤフオクやamazonなどにストアを開設して古物の非対面取引を行う場合は、そのURLを申請書(別記様式第1号その4)にて届け出る必要があります。
さらに、そのURLを使用する権原があることを疎明する資料を添付書類として提出しなければなりません。
疎明資料としては、次のようなものがあげられます。
- プロバイダ等が発行したドメイン割当通知書
- 「WHOIS検索」の検索結果をプリントアウトしたもの
- ヤフオクやamazon等のプロフィールページをプリントアウトしたもの など
いずれの書面においても、申請者の氏名・法人名・法人の代表者名等が、そのドメインに登録されていることが確認できる内容のものでなければなりません
未成年者である場合
(規則第1条の3第3項第1号二)
未成年者で古物営業を営むことについて法定代理人の許可を受けている場合は、次の書類が必要となります。
- 法定代理人の氏名及び住所(法定代理人が法人である場合は、その名称及び住所並びに代表者の氏名)を記載した書面
- 法定代理人の許可を受けていることを証する書面
古物商の相続人である未成年者で古物営業を営むことについて法定代理人の許可を受けていない場合は、次の書類が必要となります。(法定代理人が法人である場合は、①②の書類に加え、定款、登記事項証明書、法人役員に関する③~⑤の書類が必要です。)
- 相続人である未成年者の氏名及び住所を記載した書面
- 営業所の所在地を記載した書面
- 法定代理人の略歴書
- 法定代理人の誓約書
- 法定代理人の住民票の写し
管轄する警察署による場合
申請する都道府県や管轄する警察署によって、上記1~7の法定されているもの以外に、営業所に関して次のような書類の提出が求められる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
- 大家さんや管理会社の使用承諾書
- 土地・建物登記簿謄本の写し
- 賃貸借契約書のコピー
- 周辺図
- 内部平面図 など
宮城県警のある警察署では、営業所の使用承諾書を「同意書」と呼び、同意が得られない場合は、将来、物件の所有者との間に生じるトラブルに関して一切の責任を負う旨の「誓約書」を提出することされています
