古物商の申請費用は個人と法人で変わる?公的書類の発行費用や節約のコツを紹介
はじめに
「古物商許可が必要だけど、実際、いくらかかる?」
古物商として事業を始めるには、古物営業法に基づいて古物商許可を取得する必要があります。
古物商許可の取得には、申請書等の書類を作成のうえ、住民票等の必要な書類とともに警察署に提出し、公安委員会の審査を経なければなりません。
今回は、個人の方や法人が古物商の許可申請するために必要になる費用とその内訳や節約のコツについて、行政書士が解説します。
目次
国への申請手数料
古物商許可を取得するには、警察に申請書と添付書類を提出しなければなりません。
その際に、警察が審査事務を行うために必要な手数料として19,000円を納付する必要があります。
この申請手数料は、申請者が個人でも法人でも変わりません。
この国へ納める申請手数料は、申請が不許可となった場合でも返金されませんので注意が必要です
住民票・身分証明書の発行手数料
古物商許可の申請には、申請書に加えて、いくつかの公的書類を添付しなければなりません。
個人の場合も法人の場合も、本籍の記載のある「住民票の写し」と市区町村が発行する「身分証明書」の提出が必要になります。
これらの公的書類は、発行手段によって手数料が異なり、その手段としては以下の3つが挙げられます。
住民票等発行の3つの手段
- 市役所等の窓口で発行
- マイナンバーカードを使ってコンビニで発行
- 郵送で請求・発行
【費用:中】市役所等の窓口で発行
住民票や身分証明書を市役所等の窓口で発行するためには、必要な事項を記載した請求書を提出して行います。
各役所によって異なりますが、住民票及び身分証明書の窓口発行手数料は、概ね200円~400円になります。
1つ注意すべき点としては、住民票と身分証明書の発行主体が異なることです。
住民票の発行は、お住まいの地域の市役所等、身分証明書の発行は、本籍のある市役所等になります。
住民票と本籍が同じ市内にあるのであれば、一度に請求できますが、本籍が市外や他県にある場合は、その本籍のある市役所等に、別途、請求しなければなりません
【費用:低】マイナンバーカードを使ってコンビニで発行
マイナンバーカードの交付を受けているのであれば、コンビニエンスストアに設置してあるマルチコピー機で発行することができます。
コンビニ発行の手数料は、窓口で発行する場合より、100円程度安くなっていることがあります。
身分証明書はコンビニ発行に対応していない
ただし、身分証明書はコンビニでは発行できないため、前述の窓口で発行するか、後述する郵送で請求することになります。
【費用:高】郵送で請求・発行
住民票や身分証明書を郵送請求する場合は、3つの手段の中で、最も費用と時間がかかります。
費用の支払いは郵便小為替
住民票等を郵送請求する場合の発行手数料の支払いは、原則、郵便小為替を請求書と同封して郵送します。
この郵便小為替(定額小為替)は、郵便局で購入することができますが、一枚の発行につき200円の手数料を郵便局へ支払う必要があります。
購入できる郵便小為替の額面は、次の通りです。
50円 | 100円 | 150円 | 200円 | 250円 | 300円 |
350円 | 400円 | 450円 | 500円 | 750円 | 1000円 |
郵便小為替には600円の額面がないため、住民票と身分証明書の発行手数料がそれぞれ300円だった場合、300円の額面を2枚購入して400円の手数料を郵便局に支払わなければならないことになります
返信用封筒が必要
住民票等を郵送で請求する場合、切手を貼付した返信用封筒を同封しなければなりません。
つまり、市役所等への郵送で84円(25g以内の場合)、返信で84円の切手代が必要になります。
参考)郵送請求に必要なもの
- 住民票等の請求書
- 本人確認資料(運転免許証のコピー等)
- 郵便小為替
- 切手を貼付し返信先を記載した返信用封筒
各市区町村によって異なりますが、郵送請求の場合、住民票等が手元に届くまで、通常1週間~10日、もしくは、2週間程度かかります
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登記事項証明書の発行手数料(法人の場合)
申請者が法人の場合は、役員全員分の住民票と身分証明書に加えて、会社の登記事項証明書が必要になります。
登記事項証明書の請求先は、登記所(法務局)となります。
請求方法は、「窓口」「オンライン請求・郵送受取」「オンライン請求・窓口受取」の3通りがあり、手数料については、それぞれ以下の通りです。
請求方法 | 手数料 |
---|---|
登記所等に出向き窓口で請求する方法 | 600円 |
オンラインで請求し郵送で受け取る方法 | 500円 |
オンラインで請求し最寄りの登記所等で受け取る方法 | 480円 |
登記事項証明書を「オンラインで請求して郵送で受け取る」場合でも、住民票等の郵送請求とは異なり、別途、切手代等の送料はかかりません
ズバリ!古物商許可の申請費用は約20,000円
以上、個人又は法人が古物商許可を申請する場合に必要になる費用とその内訳について解説しました。
古物商許可の取得にかかる費用は、個人の場合「約20,000円前後」、法人の場合「約20,000円強」となり、その大半が警察署へ納める申請手数料が占め、残りは公的書類の発行手数料となります。
このほかに必要となる費用としては、住民票等を窓口発行する際の市役所等への交通費や、古物商の許可申請を行うための管轄警察署への交通費などがあげられますが、個々の状況により大きく異なるため、ここでは割愛します。
窓口・コンビニ発行 | 郵送請求 | |
---|---|---|
国への申請手数料 | 19,000円 | 19,000円 |
住民票発行手数料 | 約300円 | 約300円 |
身分証明書発行手数料 | 約300円 | 約300円 |
郵便小為替手数料 | ー | 400円 |
送料(切手代) | ー | 168円 |
合計:個人の場合 | 約19,600円 | 約20,168円 |
合計:法人の場合(+約500円※1) | 約20,100円 | 約20,668円 |
※1 登記事項証明書をオンラインで請求して郵送で受け取った場合
法人の役員が複数名いる場合、役員全員の住民票と身分証明書の提出が必要なため、その人数分の発行手数料がかかります
節約のコツ
古物商許可申請の費用を節約するためには、公的書類の発行手段を工夫することが重要です。
住民票は、マイナンバーカードを使ってコンビニで発行すると、市役所等への交通費もかかりませんし、窓口で発行するより100円ほど安い場合があります。
ただし、身分証明書は、コンビニでは発行できないので、住所地と本籍地が同じ市内にあり、窓口で発行するのであれば、同時に、住民票も発行しても良いでしょう。
登記事項証明書は、オンラインで請求して郵送で受け取ると、郵送に日数は要しますが、窓口で請求する場合よりも安くなりますし、登記所への交通費も節約できます。
なお、コンビニより市役所のほうが近かったり、登記事項証明書のオンライン請求の手続きが面倒に感じたり、それぞれ事情は異なるかと思いますので、費用と手間を天秤にかけて、自分にとってストレスの少ない最適な方法を選びましょう。
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