古物商許可を7ステップで解説!スムーズな申請のポイントも公開

木製ブロックを階段状に積み上げる手

はじめに

古物商許可の申請には、どのような手続きが必要なのでしょうか?

行政書士に依頼することもできますが、自分で調べて一から行うとなると、意外と時間と手間がかかるものです。

この記事では、そもそも古物商許可が必要かどうか、古物商許可を受けることができるか、営業所や管理者の選定、申請書等の作成のポイントなど、古物商許可の取得までを7つのステップに分けて、行政書士が詳しく解説します。

ステップ1 古物商許可が必要か確認しよう

古物(中古品)の取引を「営利目的で反復継続して行う」場合は、古物商許可が必要です。

したがって、自分で使用していたものや無償でもらったものを売る場合は、古物商許可を取得しなくとも行うことができます。

自分(自社)が行おうとする取引が、古物商許可が必要なケースにあたるか確認しましょう。

古物商許可が必要なケース

  1. 古物を買い取って売る
  2. 古物を買い取って修理して売る
  3. 古物を買い取って部分的に売る(部品取り)
  4. 古物を買い取らず、売った後に手数料をもらう(委託売買)
  5. 古物を別のものと交換する
  6. 古物を買い取ってレンタルする
  7. 国内で買い取った古物を国外で売る

古物商許可が不要なケース

  1. 自分のものを売る
  2. 自分のものをオークションに出品する
  3. 無償でもらったものを売る
  4. 相手から手数料をとって回収したものを売る
  5. 自分が売った相手から売ったものを買い戻す
  6. 自分が海外で買ってきたものを国内で売る

化粧品やお酒など、消費してなくなるものを売る場合も許可は不要です。

古物商とは?古物商許可が必要な7つの取引パターン

法の規定する「古物」「古物商」の定義から見えてくる「許可が必要なケース」を、行政書士がわかりやすく解説します。

ステップ2 欠格事由を確認しよう

古物営業法には、「古物商」「管理者」「法人の役員」の3者について、それぞれに欠格事由が定められています。

次のうち、いずれか一つにでも該当する場合は、古物商許可を取得することができません

欠格事由

古物商

  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない方
  • 禁錮刑以上に処せられ、又は一定の犯罪※により罰金刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた日から起算して5年を経過しない方
  • 暴力団員又はその関係者
  • 住居の定まらない方
  • 古物営業の許可を取り消されてから5年を経過してない方
  • 心身の故障により古物商の業務を適正に実施することができない方
  • 未成年者
※「一定の犯罪」とは

古物営業法「無許可営業」「不正手段による許可取得」「名義貸し」「営業停止処分中の営業」及び、刑法「窃盗」「背任」「遺失物横領」「盗品等運搬・保管・有償譲受け・有償処分のあっせん」を指します。

管理者

  • ①~⑤に該当する方
  • 心身の故障により管理者の業務を適正に実施することができない方
  • 未成年者

法人の役員

  • ①~⑤に該当する方

警察による審査の結果、欠格事由に該当するとして古物商許可を受けられなかった場合でも、申請手数料19,000円は返還されませんので、必ず事前に確認するようにしましょう。

古物商許可を受けられない8つの理由 - 欠格事由

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ステップ3 営業所を決めよう

古物商許可を受けるには、必ず、営業所を設置しなければなりません。

個人申請の場合は申請者の自宅を、法人申請の場合は本社事業所を営業所とするのが一般的です。

ただし、自宅が賃貸物件の場合、管轄警察署によっては、物件の所有者の使用承諾書」の提出を求められることがありますので、必ず、事前に確認するようにしましょう。

また、古物商の営業所は「営業の本拠地であり、永久的、継続的に営まれる場所」であると解されていますので、住所のみを貸し出すバーチャルオフィスや専有スペースのないシェアオフィスなどでは、営業所としては認められません。

営業所には、取引の年月日や相手方の氏名等を記載した「帳簿」の保存や、古物商の「標識」を掲示する義務があります。

古物商の営業所について押さえておきたい8つのこと

営業所として認められる基準や営業所において行わなければならないこと、移転や新設手続の概要などについて行政書士が解説します。

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ステップ4 管理者を選任しよう

営業所には、常勤する管理者を、必ず一人選任しなければなりません。(一営業所一管理者の原則)

管理者とは、簡単に言うと、店長やマネージャーなどの現場責任者のことです。

なお、「古物商が自ら営業所における業務の実施を実質的に統括管理することができる場合は、古物商が自らを管理者として選任することができる」とされています。

したがって、個人申請の場合は、申請者が兼務することができます。法人申請の場合は、役員が兼務することが認められ、また、その社員を管理者に選任することができます。

管理者には、常勤性が求められますので、例えば、大阪支社の社員を東京本社の営業所の管理者に選任することは認められません。

古物商許可 - 管理者の役割と選任時の注意点

必ず選任することを求められる「管理者」とは、一体どのような役職なのでしょうか。職務や要件、制度について、行政書士が解説します。

ステップ5 公的書類等を取得しよう

古物商許可申請においては、申請書に加え、本籍の記載のある住民票写しや市区町村発行の身分証明書、法人申請の場合は、登記事項証明書を添付する必要があります。

住民票と身分証明書は、申請者及び法人の役員全員、管理者のものが必要です。

本籍の記載のある住民票の写し

住民票は、住所地の市役所等で発行できます。

また、マイナンバーカードの交付を受けているのであれば、コンビニのマルチコピー機からも発行することができます。

市区町村発行の身分証明書

身分証明書とは、運転免許証や保険証、マイナンバーカードのことではなく、市区町村が発行する禁治産・準禁治産、成年後見の有無、破産の有無を証明する書類です。

これは、欠格事由の「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」に該当しないことを証明するためのものです。

身分証明書の請求先となるのは、本籍地の市役所等です。

身分証明書は、住民票とは異なり、コンビニでは発行できません

したがって、例えば、東京在住で、本籍が大阪のような場合は、郵送で請求するといいでしょう

身分証明書の郵送請求は〇〇市役所 身分証明書 郵送請求で検索しよう。(住民票の郵送請求も可能)

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登記事項証明書(法人の場合)

古物商許可の申請において必要となるのは、「履歴事項全部証明書」です。

請求先は最寄りの登記所、請求方法は以下の3通りがあります。

  • 登記所等に出向き窓口で請求する
  • オンラインで請求し郵送で受け取る
  • オンラインで請求し最寄りの登記所等で受け取る
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定款の写し(法人の場合)

定款の写しには、原本と相違ないことを証明する奥書が必要です。

定款の最終ページの余白に以下のように記載し、定款が複数ページに渡る場合は、左側2か所をホチキスで留めてまとめましょう。

定款の奥書

以上、原本と相違ないことを証明する。

令和○年〇月○日
東京都中央区京橋〇丁目〇番〇号
株式会社〇〇
代表取締役 〇〇 〇〇 ㊞

※会社本店所在地は、登記事項証明書の表記の通りに記載(〇丁目〇番〇号など)
※代表取締役の氏名は、記名ではなく「自署」
※捺印は「代表者印」

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公的書類等の要否と請求先のまとめ

個人法人請求先
住民票の写し申請者・管理者全役員・管理者住所地の市役所等
身分証明書申請者・管理者全役員・管理者本籍地の市役所等
登記事項証明書不要履歴事項全部証明書登記所
定款の写し不要奥書が必要-

申請者や役員が管理者を兼務する場合でも、住民票や身分証明書は、各一通ずつで構いません。

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