リモートID特定区域とは - 届出手続や必要な措置について

ドローンを指さすFPVゴーグルをした男性

2022年6月20日の「無人航空機登録制度」の施行に伴い、登録番号の機体への表示とともにリモートIDの搭載が義務化されます。

しかしながら、必要な措置を講じたうえで、あらかじめ届け出られた区域(「特定区域」)の上空に限り、あらかじめ届け出られた機体のみを飛行させる場合には、リモートIDの搭載義務が免除されます。

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届出に係る手続

特定区域の届出は、以下の方法により「代表者」が行うこととされています。

オンラインで行う

ドローン登録システムのリモートID特定区域の届出手続画面

ドローン登録システムの「届出システム」によりオンラインで行うことができます。

オンラインで届出を行う場合は、飛行を開始したい日の少なくとも5開庁日までに届出を提出する必要があります。

郵送で行う

リモートID特定区域の規定の届出書に必要事項を記入し、参考となる事項を添付して提出することができます。

郵送で届出を行う場合は、飛行を開始したい日の少なくとも5開庁日までに管轄官署に必着するよう提出しなければなりません。

届出書の提出先

特定区域の所在地提出先
東京航空局が管轄する区域
(新潟県、長野県、静岡県以東)
〒102-0074
東京都千代田区九段南1-1-15 九段第2合同庁舎
東京航空局保安部運航課
大阪航空局が管轄する区域
(富山県、岐阜県、愛知県以西)
〒540-8559
大阪府大阪市中央区大手前4-1-76 大阪合同庁舎第4号館
大阪航空局保安部運航課

飛行させる特定区域がいずれの管轄にも該当する場合は、届け出を行う代表者の住所を管轄する地方航空局へ提出します。

届出の記載事項

代表者の情報

  • 氏名又は企業・団体名
  • 住所又は企業・団体の所在地
  • 企業・団体の部署名
  • 電話番号
  • メールアドレス
    • 電話番号、メールアドレスは特定区域上空の飛行中を含め常時連絡の取れるもの

特定区域・機体の情報

  • 飛行の期間
    • 2022年6月20日以降の日付で、最大3年間
  • 特定区域の所在地
    • 複数の県にまたがる場合、最大3都道府県まで
  • 特定区域とする場所の端点の緯度・経度
    • 東端、西端、南端、北端の4点
  • 区域の範囲を示した地図画像
  • 区域の範囲を示した地図データ(GeoJSON)
  • 飛行する高度の上限
  • 飛行の許可・承認の取得状況
    • 例)特定区域が人口集中地区に当たるのであれば当該許可の取得状況
  • 無人航空機の登録記号
    • 最大1000機まで / 登録記号をカンマで区切り入力
リモートID特定区域 - 地図・緯度経度・GeoJSONについて

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特定区域に講じる措置

目視により監視する「補助者」の配置

目的

  • 無人航空機の特定区域の上空からの逸脱を防ぐ。
  • 届出のない無人航空機の飛来を監視する。

目視での監視を行う補助者を特定区域内若しくは周辺に配置し、以下の措置を講じる必要があります。

  • 無人航空機の飛行状況を監視し、特定区域上空から逸脱しそうになった場合等に操縦者に必要な助言を行うこと。
  • 無届又は未確認の無人航空機が飛来した場合等に、飛来した無人航空機の操縦者に飛行中止等の指示を行うこと。
  • ②の措置ができない場合、届出済みの無人航空機と飛来した無人航空機の判別が困難となった場合には、補助者の指示に従い、届出済みの無人航空機は飛行中止の措置を講じることとする。

特定区域の範囲を明示する「標識」の設置等

目的

  • 特定区域の上空であることを周囲の者が認識できるようにする。

リモートID特定区域の範囲を明示する標識のイメージ
出典:国土交通省

以下のいずれかの措置を講じる必要があります。

  • 操縦者からの目視内において、塀、柵、縁石、土地上の境界線の表示若しくはそれらによる目印により、特定区域の外縁がすべて表示されていること。
  • 標識をそれぞれの設置位置から両隣の標識が操縦者から視認できるように設置することにより、特定区域の外縁が判別可能であること。
  • 外縁が河川や草地などに存在する又は境界線の表示や物件の設置が許容されていない等の理由で物理的な標識等の設置が困難な場合は、求めに応じて空域の範囲を明示した届出書の写しを提示する。

標識とは、コーン、看板、既存の構造物その他の物件又は地面上の表示であって当該標識が特定区域の外縁を示すものであることが示されているもの。

届出書の写し等の携帯

特定区域の上空で無人航空機を飛行させる者は以下のいずれかの媒体を携帯し、必要に応じてそれらを提示しなければなりません。

  • 届出システムにログインすることにより、届出内容と届出番号を表示できるスマートフォン等の端末又はその表示を印刷したもの。
  • 届出後に国から返信される届出番号が記載された届出書の原本の写し。
  • 提出した届出書の写し及び届出システムから送信された届出番号が記載された電子メールを表示できるスマートフォン等の端末又はその表示を印刷したもの。

代表者の管理・確認(代表者とは)

代表者とは、「特定区域上空において飛行の対象となる無人航空機の管理及び当該飛行を適切に実施することについて確認する者」を指します。

届出内容に不備があると…

届出とは、「行政庁に対し一定の事項を通知する行為」です。

形式上の要件を満たさない届出や内容に誤りのある届出であっても、諾否の応答を求める「申請」とは異なり、補正等を求められることは基本的にはありません。

しかし、不備のある届出には法的効果は発生せず、「届出をしていない」ことになってしまうのでご注意ください。

行政手続法

(届出)
第三十七条 届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。

Q&A

特定区域内では飛行許可がなくても飛ばせる?

リモートID特定区域とは、一定の条件のもとリモートIDの搭載を免除するものです。あくまで「リモートIDの搭載」に関するものなので、航空法等の規制にかかる場所や方法で飛行するのであれば、別途、飛行許可承認が必要です。

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リモートIDの搭載が免除された機体は、特定区域の届出は不要?

はい。2022年6月19日までに登録が完了した機体は、リモートIDの搭載義務が免除されるので届出は必要ありません。2022年6月20日以降に登録された「リモートIDの搭載義務のある機体」が届出の対象です。搭載が免除された機体で届出をしても受理されないようです。

届出を行うにあたり、本人確認や手数料は必要?

本人確認及び手数料の支払いはありません。

代表者を3人指定することはできる?

できません。1届出当たり指定できる代表者は1名となります。

届出を行う者(ログインユーザー)が、代表者でなければいけない?

必ずしもロングインユーザーが代表者である必要はありません。代表者を別の者に設定することができます。ただし、代表者宛てに各種メールが配信されるので、確実に連絡可能なメールアドレスを登録するようにしてください。

届出後、登録したい機体が増えた場合、どうすればいい?

届出の変更が必要です。ドローン登録システムにログインして、「届出一覧」>「変更届出」から届出内容を修正することができます。なお、飛行期間として設定できる期間は以下となります。

[開始日時] 変更不可
[終了日時] 開始日より3年以内の期間を指定可能

農薬散布予定地をリモートID特定区域とすることはできる?

可能です。なお、ドローンの離発着場所が散布予定地と離れている場合、その「離発着場所」及び散布予定地までの「飛行経路」も特定区域として届け出ておくとよいでしょう。

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